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木造住宅の寿命は100年!?長く住むメンテナンスポイントと耐用年数について解説します

2023.06.16 10:58

どんな家にも、「寿命」はあります。

木造住宅は、鉄筋コンクリート造の家より寿命が短いというイメージがありますが、法隆寺の五重塔に代表されるように1,300年以上も建ち続けている建物もあるため、一概にはいえません。

では、木造住宅の平均的な寿命はどのくらいなのでしょうか。

長く住み続けるためのポイントもあわせてお伝えします。

木造住宅の寿命は30年?

不動産業界では、「木造住宅の寿命は30年」と捉えることが多いです。

その理由として、次のようなことが挙げられます。

家族構成やライフスタイルが変わるから

家を建てて30年くらい経過すると、家族構成やライフスタイルの変化により、リフォームを検討する時期になります。

しかし、家の構造によっては間取りを変更できないなど、リフォームで実現したいことが不可能な物件もあり、新しい家を検討される方も少なくありません。

住宅設備の寿命が約30年だから

キッチンやトイレ、ユニットバスなどの住宅設備にも、寿命があります。

一般的には、10~20年くらいが目安の交換時期ですが、長い方だと30年くらい使い続ける方もいらっしゃいます。

さすがに30年も使い続けると交換が必要ですから、それに合わせて家を建て替えるケースもみられます。

住宅ローンの返済期間が最長35年だから

一般的な住宅ローンの返済期間は、最長35年までと定められています(長期優良認定住宅などは50年まで可能なローンもあります)。

この返済が終わる頃に、リフォームではなく、新しい家を購入される方もいらっしゃいます。

耐震工事ができないから

耐震改修工事が必要な家の場合、リフォームと併せて実施される方も多いです。

ただ、耐震改修工事の費用は高額になるため、コストを比較して新築に建て替える方もいらっしゃいます。

なお、耐震改修工事は自治体の補助金を使うことも可能ですが、適用されるにはさまざまな条件を満たす必要があります。

この条件を満たせず、建て替えを選ばれる方も少なくありません。

木造住宅の法定耐用年数が33年だから

税務会計において、あらゆる資産には法定耐用年数が定められています。

木造の建物の法定耐用年数は、アパートなどの業務用は22年、一般住宅などの非業務用は33年です。

あくまでも税務会計上の耐用年数ですが、築30年以上の木造建物は不動産価値が低いとみなし、新築や建て替えを考える方もいらっしゃるようです。

木造住宅の耐用年数とは

上記の理由を見ていくと、実際にはまだ住み続けられる家なのに、新しい家を購入したり建て替えたりするケースも少なくありません。

では、木造住宅の本当の寿命はどれくらいなのでしょうか。

それを考える上で「耐用年数」が一つの指標になります。

耐用年数には、「法定耐用年数」「物理的耐用年数」「経済的耐用年数」の大きく3つに分けられ、それぞれの考え方によって寿命が異なります。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、固定資産税などを算出する際に使用される耐用年数のことで、不動産の価値を公平に評価するための指標です。

たとえば、仕様がまったく同じ2軒の建物があったとして、一方は新築、もう一方は築30年の場合、建物の固定資産税が同じだと公平な評価がされているとはいえません。

そのため、古い家は減価償却され価値を低くし、固定資産税が安くなる仕組みになっています。

木造住宅の法定耐用年数は33年(事業用は22年)ですが、これは税務上で価値がなくなる年数のことであり、物理的な寿命とは異なります。

物理的耐用年数

物理的耐用年数とは、建物の構造材が劣化するのにかかる耐用年数のことです。

工学的な判断から算出されるため、建物の寿命に近い耐用年数であるといえるでしょう。

ただ、物理的耐用年数を算出するための定義は明確に定まっていません。

また、木材の種類や立地環境、管理状態など、さまざまな要因によって寿命が異なる点は理解しておく必要があります。

経済的耐用年数

経済的耐用年数とは、その建物を売却する際に価値があると認められる期間のことです。

物理的な要因のほか市場価値を含めて算出されるもので、簡単にいえば、需要のある建物ほど耐用年数は長く、逆に需要がなければ短くなります。

なお、日本の不動産鑑定では法定耐用年数を用いて建物の価値を算出することが多く、木造住宅の経済的耐用年数も20~25年くらいになるのが通例です。

木造住宅には80年以上住み続けられる

物理的に住み続けられる耐用年数を木造住宅の寿命とする場合、物理的耐用年数が近い数値を表せるでしょう。

一般的に、木造住宅の平均的な物理的耐用年数は、80年以上になることが多いようです。

これは、躯体に使われる木材の耐用年数から算出した結果です。

ただ、先ほどもお伝えしたように、物理的耐用年数はさまざまな要因によって異なります。

仮に、雨漏りによって躯体の木材が腐食している家だと、80年も住み続けられないでしょう。

逆に、適切なメンテナンスを定期的に実施していれば、100年以上住み続けられるかもしれません。

いずれにしても、木造住宅の寿命はメンテナンスが大きく影響するといえそうです。

木造住宅に長く住むためのコツとは

物理的には80年以上住める家であっても、家族構成やライフスタイルなどの変化に適合しなければ「住みにくい家」になってしまいます。

また、住み始めてからのメンテナンスを疎かにすることで家の寿命を短くすることもあります。

では、長く住み続けられる家にするには、どうすれば良いのでしょうか。

家を検討するときや、住み始めてからできることを考えてみましょう。

間取りの可変しやすい家を選ぶ

間取りを容易に変えられる家であれば、家族構成やライフスタイルが変化しても長く住み続けられるでしょう。

たとえば、「設計段階で、間仕切りができるように壁や天井に下地を設置する」「壁ではなく可動式の家具で仕切る」など、壁の少ない家にするのも一手です。

また、構造もツーバイフォーなどと比べて、木造軸組工法(在来工法)の方が間取りの可変性が高い家をつくりやすいといわれます。

耐震性や断熱性を高める

大地震による災害が多い日本では、耐震性は重要な要素です。

災害に強い家を建てることで、安心して長く住み続けられます。

また、断熱性に優れた家を選ぶこともポイントです。

断熱性の劣る家では結露が生じやすく、その水滴が壁や構造材を腐食させ、建物の耐久性に影響を与える可能性があります。

断熱性に優れた家なら結露も生じにくいため、家を長持ちさせることが可能です。

小まめに掃除する

住み始めてからも、日々の掃除を小まめに行うことで異常がないかを確認しましょう。

とりわけ水まわり部分は、劣化しやすい場所の一つです。

水漏れが生じていたり異臭がしたりするときなど、劣化のサインを見つけたら速やかに修繕しましょう。

外壁も注意して確認したい場所の一つです。

ひび割れから雨水が浸入して構造材を腐食させることもありますし、雨樋が詰まっていると正常に排水できず腐食や劣化の一因になることもあります。

こうした日々の点検で異常を見つけたら早めに対処することが、家を長持ちさせる重要なポイントです。

ホームインスペクションなどのプロに点検してもらう

メンテナンスが必要な異常は、自分の目では確認できないところにも生じます。

こうした箇所を確認するには、プロの力を借りるのも一手です。

たとえば、ホームインスペクション(住宅診断)というサービスを利用すれば、専門家が、素人では見落としやすい異常を見つけたり床下や天井裏などを確認してもらったりすることも可能です。

定期的に実施することで、雨漏りやシロアリ被害といった異常を察知し、早急に対処することで建物の寿命を延ばせます。

診断内容によって費用は異なりますが、施工会社の定期メンテナンスだけでは不安という方は、利用を検討されてはいかがでしょうか。

適切な時期にメンテナンスを実施する

家の寿命を延ばすには、定期的なメンテナンスがとても大切です。

ただ、適切な時期に実施しないと寿命を縮めてしまうこともあります。

そのため、場所ごとにメンテナンスが必要なタイミングを把握しておくことも重要なポイントです。

たとえば、外壁や屋根のリフォームは10~15年おきに、水栓や配管は5年ごとに点検して20年を目安に取り換えるなど、それぞれの点検やリフォームの適切な時期を確認し、実行します。

なお、建材や立地環境などによってメンテナンスのタイミングは異なります。

施工会社などと相談して、適切な時期を決めると良いでしょう。

寿命を迎えたらリフォームか建て替えを検討する

さまざまな理由で「これ以上暮らし続けるのが難しい」と判断したら、リフォームか建て替えのいずれかを検討することになります。

コストを重視するなら、リフォームのほうが安く抑えられます。

部分的なリフォームで住むのであれば、住み続けながら工事を進めることも可能です。

ただ、建物の構造によっては対応できない変更点があるかもしれません。

その場合は、建て替えを選ぶことになります。

予算と相談しながら、どちらにするか決めましょう。

まとめ

木材自体の寿命は意外と長く、木造住宅に100年以上住み続けることも可能です。

ただ、長く住み続けるには耐震性や耐久性といった強い家をつくることが前提であり、住み始めてからも適切なタイミングでメンテナンスを実施することが求められます。

また、家族構成やライフスタイルなどの変化にあわせてリフォームがしやすいよう、設計段階で工夫することも、住みやすさを維持するうえで大切なポイントです。

現在の生活だけでなく、将来の生活も予測して家づくりを計画することで、長く快適に暮らせる家を実現でき、かつトータルの住居費を抑えることにもつながります。

高橋開発では、お客様にご満足いただける家づくりをご提供しております。
お家の購入を検討している人は、是非高橋開発までご相談ください。

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