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住宅の耐震等級とは?種類や高めるポイントを理解して地震に強い家を選ぼう

2023.11.02 11:40

大きな地震に対する建物の強度を示す「耐震等級」。

等級の数値が大きいほど地震に強い家であることを示しますが、実際に購入を検討している物件の等級がわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

長く安心して暮らす家を選ぶには、耐震等級も重要な指標の一つです。

ここでは、等級が高い家を建てるためのポイントなど、耐震等級に関する基本的な情報を解説します。

耐震等級とは?

耐震等級とは、地震に対する建物の強度を表した指標のことです。

住宅の性能表示を定める「住宅品質確保促進法(品確法)」に基づき、一般の消費者にもわかりやすいよう表示されています。

耐震等級は3つのランクに分かれており、数値が大きいほど「地震に強い家」であることが示されます。

それぞれの等級がどれくらい地震に強いのか、具体的には以下のように定義されています。

耐震等級1

耐震等級1の家は、建築基準法で定めた最低限の耐震性能を満たす建物のことです。

現在建てられている新築の家は、違法建築でない限り「耐震等級1を満たした家」といえます。

耐震等級1では、震度6強~7程度の数百年に一度発生する大地震でも倒壊しないよう、構造計算上は造られています。

ただし、大地震で損傷する可能性はあり、大規模な修繕をしなければ住み続けることはできないとされています。

耐震等級2

耐震等級2の家は、耐震等級1の1.25倍の強度を誇る建物のことです。

数百年に一度発生する大地震に見舞われても、補修すれば住み続けられる強度があります。

災害時に避難所となる学校や病院などの公共施設では、耐震等級2の強度が求められますし、一般的な住宅でも長期優良住宅に認定されるには耐震等級2以上が条件です。

耐震等級3

耐震等級3の家は、耐震等級1の1.5倍の地震に耐えられる建物のことです。

数百年に一度発生する大地震に見舞われても、建物の損傷を最小限に抑えられ、そのまま住み続けられる強度を誇ります。

耐震等級3の家を建てることは、災害後の補修費用を安く済ませることにもつながり、長く安心して暮らせる家といえるでしょう。

耐震と免震・制震との違いは?

地震に強い家を示す言葉には、耐震のほかにも「免震」「制震」というキーワードがあります。

いずれも似たような言葉ですが、大地震に対して建物を守るための「仕組み」が違いますので、ここで整理しておきましょう。

耐震とは、地震に対する建物自体の強度を高めることです。

「壁に筋交いを入れる」「大きな開口部には耐震性に優れたフレームを入れる」など、大地震に備えて補強することを耐震工事といいます。

これに対して制震とは、地震の力を吸収して揺れを抑えることです。

具体的には「ダンパー」と呼ばれる制震部材が揺れを吸収し、建物自体の揺れを小さくすることで大地震による被害を抑えます。

耐震よりも被害を抑えられる工法ですが、建築コストは高くなりやすいです。

最後に免震ですが、地震の揺れを伝えにくくするために、地面と建物をできる限り切り離す工法です。

アイソレータなどの免震装置を取り付け、建物自体の揺れ幅を小さくすることで被害を抑えます。

耐震や制震よりも建築コストは高くなりますが、建物へのダメージは最小限に抑えられます。

耐震等級の高い家を建てるメリット

先ほどもお伝えした通り、現在建てられている新築の家は「耐震等級1」の基準を満たしています。

では、「耐震等級2または3」の家を建てることのメリットは何でしょうか。

等級数の高い家で享受されるメリットをお伝えします。

大地震後の補修費を抑えやすい

耐震等級1の家でも、震度6強~7程度の大地震に耐えられますが、その家に住み続けるには大規模な補修が必要とされています。

耐震等級2または3の家であれば、この補修工事が軽度で済むとされ、災害後のコストを抑えられる点がメリットの一つです。

実際に、震度7の揺れが襲った熊本地震の際、新耐震基準を満たす耐震等級1レベルの家で倒壊は7棟、全壊が12棟、半壊や一部損壊が104棟だったのに対し、耐震等級3の家で倒壊や全壊した家は0棟、半壊や一部損壊が2棟しかなかったそうです(※)。

(※)参考:くまもと型住宅生産者連合会「熊本地震を教訓に。耐震等級3のススメ」

地震保険料の割引率が高くなる

地震保険は、耐震等級によって割引率が異なります。

具体的には、以下の通りです。

・耐震等級1:10%

・耐震等級2:30%

・耐震等級3:50%

一般的な耐震等級1の家が10%の割引に対し、等級2の家は30%引き、等級3の家は50%引きになり、保険料が安くなります。

耐震等級の高い家を建てるデメリット

耐震等級2または3の家は、性能を高めるための工事が必要なため建築コストが高くなります。

また、耐震性を高めるために室内の壁の数や面積を増やす必要があるため、間取りに制約がある点もデメリットです。

広々と開放的なリビングができなかったり、大きな窓を設けられなかったりすることもあるため、どちらを優先するか判断することが大切です。

耐震等級を高めるのに必要なポイント

耐震等級2または3の家を建てるには、建物の強度を高めたり地震の揺れを小さくしたりと、さまざまな工夫が必要です。耐震等級の高い家を検討する際には、以下の点を確認しておきましょう。

建物自体を軽くする

一般的に、重量の軽い家ほど地震に対する揺れを抑えやすく、耐震性が高まるといわれます。

たとえば、屋根は瓦葺きにするよりもスレートや金属製にした方が建物全体の重量を軽くでき、耐震等級を高めやすいとされます。

耐力壁の数・面積を増やす

耐震壁の設置箇所や面積を増やすことも、耐震等級の高い家を建てる上でのポイントです。

単に増やせば良いのではなく、効果を発揮できるようバランスよく配置することも大切です。

「建物の隅角は耐力壁にする」「上下階の位置を合わせる」など、耐力壁のパフォーマンスを最大化するための工夫を行いましょう。

床の耐震性を上げる

耐震壁でどれだけ強度を高めても、土台の床が破損すれば家の倒壊リスクは高まります。

構造や壁だけでなく、床も耐震性を高める上で重要な役割を担うのです。

床の厚みを増したり、耐震性を高める工法を採用したりと、足元をしっかり固めることも大事です。

強固な地盤の土地に家を建てる

地盤が強固な土地に建てることも、耐震性を高める上で大切なことです。

地盤の固い土地は揺れが小さくなりやすいため、その上に建つ家の揺れも抑えられます。

地盤の弱い土地に家を建てる場合は、あらかじめ改良する必要があるかも検討しましょう。

耐震等級の注意点

分譲住宅や建売住宅の場合、耐震等級は施工会社の標準仕様で決定しますが、注文住宅であれば施主の希望で決めることが可能です。

ただし、その希望を伝えなければ、施工会社の仕様で設計・建築されてしまいます。

耐震等級の高い家を希望される方は、あらかじめ施工会社に確認することが大切です。

なお、高橋開発の物件は、分譲住宅も注文住宅も、すべて耐震等級3級の家を建てています。

また、どんなに地震に強い家でも経年劣化により耐震性が損なわれる可能性もあります。

新築時には耐震等級3と評価された家でも、10年20年先も等級3を維持できるとは限りません。

これを防ぐためには、適切なメンテナンスも重要なポイント。

必要に応じて補強工事を実施することで、耐震性能を長期間維持できるようになります。

まとめ

耐震等級1の標準的な家でも、大地震による倒壊を防ぐことは可能です。

ただし、地震後に大規模な修繕工事が必要とされますから、長く住み続けることを考えると耐震等級2以上の家を建てた方が、安心でしょう。

耐震等級の高い家ほど建築コストもアップしますが、地震後の修繕費用も含めると安く抑えられることもあります。

しかし、注文住宅の場合は間取りに制約を受けることもあるため、何を優先するかバランスを見て決めることも大切です。

予算も含めて、快適かつ長く安心して暮らせる住まいを検討しましょう。