2023年からの新補助金制度「こどもエコすまい支援事業」をわかりやすく解説します
子育て世帯の方がマイホームを購入すると、さまざまな補助金制度が使えることをご存じでしょうか?
今回、ご紹介する「こどもエコすまい支援事業」も、その一つです。
一定の条件を満たす子育て世帯や若者夫婦世帯の方が住宅を取得すると、最大100万円もの補助金を受け取れますから、マイホームを検討されている方ならチェックしておきたい事業でしょう。
では、補助金を得るにはどんな条件を満たす必要があるのでしょうか。
申請から受け取りまでの流れや注意点など、こどもエコすまい支援事業を利用するポイントを解説します。
こどもエコすまい支援事業とは
こどもエコすまい支援事業とは、子育て世帯などが省エネ性能に優れた家を取得する場合に、取得費用の一部を補助する国の事業です。
新築住宅の取得だけでなく、中古住宅を省エネリフォームする際にも、補助金が適用されます。
こどもエコすまい支援事業は、2023年度からスタートする新しい事業ですが、実は2022年度までは「こどもみらい住宅支援事業」という名称で、すでにあった事業です。
2023年度から細かい点で若干の変更があるものの、基本的にはこどもみらい住宅支援事業を継承した内容になっています。
補助対象になる人
こどもエコすまい支援事業の対象になる方は、新築と中古リフォームとで異なります。
新築の場合は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を取得する「子育て世帯」または「若者夫婦世帯」が補助対象者です。
ここでいう子育て世帯と若者夫婦世帯には、以下の条件があります。
・子育て世帯:18歳までの子どもがいる世帯
・若者夫婦世帯:夫婦いずれかの年齢が39歳以下で、子どもがいない世帯
一方、中古リフォームの場合は要件がありません。お子さんが成人の方でも、
一定の要件を満たせば適用されます。
ただし、補助額が異なります。金額については、後ほどまとめてご説明します。
申請期間
申請期間は、2023年12月31日までになります。
ただ、こちらも新築と中古リフォームで若干の違いがありますので、
確認しておきたいポイントです。
新築の場合は、工事を着工して、2023年12月31日までに「一定のところまで完了していること」が条件です。
つまり、完成していなくても申請は可能です。
ただし、完成後に「工事完了報告」をおこなう必要があり、これも期限(2024年7月31日まで)が定められています。
報告が期限内にできないと(2024年7月31日までに家が完成しないと)補助金が受けられない可能性がありますので、注意しましょう。
中古リフォームの場合は、2023年12月31日までに「完成していること」が条件です。
すべての工事が完了した段階で申請をおこないます。
こどもエコすまい支援事業の補助額
こどもエコすまい支援事業の補助額は、新築か中古リフォームかで違います。
新築の場合は、一律100万円です。
注文住宅でも建売分譲住宅でも、同じ額になります。
中古リフォームの場合は原則30万円ですが、「子育て世帯または若者夫婦世帯」の場合は加算されますし、物件や工事内容によっても異なります。
表にまとめました。
子育て世帯または若者夫婦世帯 | そのほかの世帯 | |
新築 | 100万円(一律) | 0円(補助対象外) |
中古リフォーム | 既存住宅購入+リフォーム:60万円(上限)
上記以外:45万円(上限) |
安心R住宅購入+リフォーム:45万円(上限)
上記以外:30万円(上限) |
中古リフォームの場合は、上記の額が上限であることに注意しましょう。
また「上記以外」とは、いま住んでいる持ち家をリフォームする場合など、新たに物件を購入しないケースが考えられます。
そのほかの世帯にある「安心R住宅」とは、耐震性があり、国の登録を受けた事業者が建物状況調査(インスペクション)を行った中古住宅のことです。
物件を探す際に、不動産会社などから「安心R住宅」であることを案内されますので、詳しくは不動産会社に確認しましょう。
こどもエコすまい支援事業の補助対象住宅の要件
こどもエコすまい支援事業では、取得する住宅にもいくつかの条件があります。
こちらも、新築と中古リフォームに分けて解説しましょう。
新築の場合
新築に求められる条件は、以下の4点です。
(1)2022年11月8日以降に工事請負契約または売買契約をした物件
(2)ZEHまたは認定住宅であること
(3)延床面積が50m2以上の住宅
(4)土砂災害特別警戒区域に建てられていないこと
(1)は、こどもエコすまい支援事業が2022年11月8日に閣議決定されたことから、それ以降に契約を結んだ家が対象ということです。
(2)のZEHには、「Nearly ZEH」「ZEH Ready」「ZEH Oriented」も適用されます。
また、認定住宅とは「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」「性能向上計画認定住宅」などで、2022年10月1日以降に認定申請した家を対象としています。
中古リフォームの場合
中古リフォームには、「必須の工事」と「任意の工事」があります。必須の工事は、以下のいずれか1点を行うことが、補助の条件です。
- 必須の工事(いずれか1点)
・開口部の断熱改修(断熱窓や複層ガラスを採用するなど)
・外壁、屋根・天井または床の断熱改修(外壁を敷込断熱にするなど断熱性能を高める)
・エコ住宅設備の設置(太陽熱利用システムや蓄電池などを導入する)
それぞれの工事内容には、補助額の上限が決まっている点も確認しておきたいポイントです。
一例として、ガラスを交換する場合は上限1万2,000円、太陽熱利用システムを導入する場合は上限2万7,000円など決まっています。
一方、任意の工事には大きく5点にわかれます。
これも、工事内容ごとに上限額が設定されていますので、施工業者などにあらかじめ確認しておきましょう。
- 任意の工事
・子育て対応改修(家事軽減、生活騒音の配慮などに資する設備を導入する場合)
・防災性向上改修(ガラスや外窓の交換)
・バリアフリー改修(手すりの設置、段差解消、廊下幅の拡張など)
・空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
・リフォーム瑕疵保険等への加入
2022年度までの「こどもみらい住宅支援事業」との違いとして、耐震改修がなくなり、代わりに防災性向上改修が加わっています。
また、バリアフリー改修にホームエレベーターの新設がなくなったことも変更点です。
申請から補助金を受け取るまでの流れ
こどもエコすまい支援事業では、施工会社が申請し、補助金は施工会社に振り込まれる仕組みになっています。
これは、「こどもエコすまい事業者」に登録している施工会社で家を建てることが、制度を利用する条件の一つになっているからです。
つまり、制度を利用するには「登録事業者を探して、新築またはリフォーム工事を依頼すること」が大前提になる点は覚えておきましょう。
なお、施工会社が事業者登録をしていないときは、着工前に登録してもらうことで適用される場合があります。
この条件を前提に、申請から補助金を受け取るまでの流れについて、新築と中古リフォームに分けて解説します。
新築の申請の流れ
新築の流れは、次の通りです。
(1)工事請負契約を結ぶ(2022年11月8日以降の契約であることが条件)
(2)工事が一定の段階まで完了したら、施工会社が交付申請を行う
(3)事務局が審査を行い交付が決定する
(4)工事完了後、施工会社が工事完了報告を行う(2024年7月31日まで)
(5)補助金が施工会社に入金される
(6)施工会社から補助の還元を受ける
補助金は、工事完了後に施工会社から受け取ることになります。
中古リフォームの申請の流れ
中古リフォームの場合も新築とほぼ同じ流れですが、「工事完了後に申請する」という点が異なります。
(1)工事請負契約を結ぶ(2022年11月8日以降の契約であることが条件)
(2)工事が完了したら、施工会社が交付申請を行う
(3)事務局が審査を行い交付が決定する
(4)補助金が施工会社に入金される
(5)施工会社から補助の還元を受ける
新築と同様に、中古リフォームの場合も施工会社から補助金を受け取ることになります。
こどもエコすまい支援事業を検討するときの注意点
先述の通り、こどもエコすまい支援事業の補助金を受け取るには「こどもエコすまい事業者」に登録している施工会社に依頼する必要があります。
このほかにも、検討するときはいくつかの注意点がありますから、以下の点も覚えておきましょう。
申請期限内でも受付終了になることがある
こどもエコすまい支援事業は、国が予算を設けて実施する事業です。
このため、交付申請期間内(2023年12月31日)であっても、予算の上限に達したら受付を終了することがあります。
ちなみに、2022年度のこどもみらい支援事業のときは11月下旬に予算の上限に達したため、申請期間が1ヵ月以上早く終了しています。
検討されている方は、早めに動き始めることが大切です。
併用できない事業もある
他の補助金も検討されている方は、併用できるかどうかの確認も必要です。
当然のことですが、前の事業であるこどもみらい支援事業との併用はできませんし、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」や「住宅エコリフォーム推進事業」といった一部の補助金事業とも併用できないことになっています。
併用できない場合は、どちらの補助額が高いかなど比較して選ぶようにしましょう。
まとめ
こどもエコすまい支援事業の対象者がZEHなどの家を買ったりリフォームしたりすると、新築の場合は100万円、中古リフォームの場合は最大60万円もの補助金が受け取れます。
補助金は、新居に引っ越した後に受け取ることになりますが、引っ越し後は何かと物入りの多い時期ですから、家計の負担軽減につながるでしょう。
なお、国の事業ですから予算には上限があります。
検討されている方は、できるだけ早めに動き始めることをおすすめします。
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